水族館に行くと、寿司屋に行きたくなる 現象
相手の好きな本を尋ねることは告白に近い、相手が数ある本の中から探して探して探して見つけた1冊を軽率に聞くことはできないという言葉をどこかで目にしたことがある。
この言葉には、非常に共感できる。
私は、人に好きなものを聞くことにひどく躊躇してしまう。またそれ以上に、自分の好きなものを人に話すことをひどく恐れている。
小学校6年生の時、ラルクアンシエルのHONEYという曲にひとみみぼれ、をした。狂ったようにラルクの曲を聴き漁り、12歳にもかかわらず、ライブへ1人で行った。22歳になる今まで、10年も聞いているアーティストはラルクしかいないと思う。
だが、これがまた人に言えない。私が生まれた年に大ヒットしたバンドだ。知らない人も多い。ビジュアルや雰囲気、時代から、V系と悪い意味で揶揄されることも多い。これは愛を込めたイジリだが、そもそもフランス語で「虹」というまあ正直言えばダサいバンド名の由来がバレることも怖い。よく物まねタレントに歌真似されたり、狩野英孝が大ファンであることを公言していたりと、女子大生が1番好きなアーティストです!と公言するには非常にハードルが高いものが、私の好きなものなのだ。
つまりは、人の好きなものに共感できないことも、自分の好きなものを理解してもらえないことも、その二つのせいで生じる、人との関係の悪化も怖い。好きなものは1人で楽しむものだからわざわざ共有して波風を立てる必要はない、とすら思ってしまう。
なんなら、高校生まで色付きリップをつけることにすらドキドキしていた私が、無難で誰にも物議を醸さない好きなものとして、化粧品を公言して、不思議な義務感で収集しまくっている。そのくらい、本当に好きなものを伝えることは私にとっては恐怖でしかない。
だから私は、1番仲がいい友人の使っている洗顔料は知っているけれども、好きな本は知らない。妹が最近見たドラマも、尊敬している先生の人格を形成した映画も、何も知らない。
だが最近、このことに、今までは抱いたこともなかった不安を覚えるようになった。
好きな人たちの好きなものを、自分は知らないということ。
自分の好きなものもまた、
好きな人たちに知ってもらえずにひっそりと楽しまれるだけであるということ。
社会人になり、【当たり障りのない会話】として
好きなものや趣味に関する質問をされるであろうこと。
好きなものを好きだと大声で言えることは尊い。
好きなことを仕事や生活の中心における人は羨ましい。
好きなものを共有できるということは、より深い相手への理解につながる。
そういう風に考え方が変わってきた自分がいる。
このブログは、痛くても、理解されなくても、好きなものを好きといえる場所にしたい。
と、思い、だれも見ていないことをいいことに、好きなものをすこしだけ、話す。
まず、水族館が好きだ。クラゲは脳みそがないという話をどこかで聞いた時から好きだ。大学生になり、バイトができるようになって、自由にお金が使えるようになってからクラゲ目当てで都内の水族館に足しげく通った結果、水族館という空間も好きになってしまった。週に1回、授業と宅飲みとバイトの合間を縫って、水族館で仮眠をとるくらい通っていたのだから、それはもう、当たり前の結果で好きになった。(もちろん、周りには水族館に1人で行く変態だと思われたくはなかったので、美肌のためにヨガに通っていると嘘をついた。ちなみにヨガは22年の人生で1度もしたことがない)
カップルがいちゃつく前の申し訳程度に行く金土日の夜に合わせてピンクやら紫やらのプロジェクションマッピングでおぜん立てされたムーディーな水族館ではなく、平日の昼間におばあちゃんと孫がふたりでアシカショーを見ているような、大きな目玉こそないものの欠けている展示もない、普通の水族館が好きだ。サンシャインや葛西臨海公園なんかが、1番ちょうどいい。もっといえば、水族館に1人で行って、大きな水槽の前のベンチに腰掛けて水の中の生き物たちが何をしているのかをぼんやり眺めているのが好きだ。そして悪趣味だが、帰り道に100円の回転寿司に行って好きなだけ魚を食べるという非人道的行為もセットで、水族館が好きだ。本屋に行くとトイレに行きたくなる現象と、水族館に行くと寿司屋に行きたくなる現象には逆らい難いものがある。ただ、当方非常にわがままな女であるため、水族館に行ったあと寿司屋に連れていく男との2回目のデートは、丁重にお断りすると思う。
家系ラーメンも好きだ。扁桃炎で入院した時は徒歩5分の位置にある家系ラーメンに行きたいがために、点滴を外そうとして大惨事になった。特に壱角家の王道のまろやかな味が好きだ。斜に構えてアレンジされた家系は家系を名乗ることをやめてほしいと常に願っている。都内だと、阿佐ヶ谷、渋谷、吉祥寺、旧新宿東口と、随所にある普通の家系ラーメンが好きだ。これは、小学生のころから実は続いていた趣向らしく、実家の近くの、必ず定食orラーメン+小ラーメンで満腹にならないと気が済まなかった時代の1番好きなお店も家系ラーメン(荻窪・八荻家)であったことが、おととし判明した。
メンタルが弱っているときの私は、世界中で、風邪の引き初めの家系ラーメンか、徹夜明けの家系ラーメンしか信用できなくなるのだ。
好きな映画や本や音楽などコンテンツに関する好きなものは、感想とともに記録したいので、それぞれ今後、話していけたらと思う。
仕事がある日に限って晴天で、休みの日に限って雨 現象
うにのすしです。
うちのかわいいマンチカン(8か月歳!)の名前と、大好物の黒いとげとげのやつをかけて、うにのすし。
TwitterもInstagramも、最近はClubhouseなんていうアプリまで出てきて、個人が情報を発信するのに、今更ブログを使うなんて...と自分でも思いますが、あえて、いくらでも文字を綴れる、いいねの数を気にしない、ブログを始めて見ることにしました。
このブログでは、主に「あれ見たけどなんだっけすごい良かったのにな」と思う機会を減らすため、自分の好きなものを自分だけでも肯定するため、自分語りのために言葉を記録したいと考えています。
コンテンツの考察や感想に関してはあくまで素人の戯言、自分語りに関してはあくまでいち個人がその場だけ感じた感情の暴走でしかないのであしからず........