すしろぐ

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人はその立場になって初めてそれがわかる現象

最近の日常。

最近は、先月末から始めた一人暮らしが莫大なお金がかかるという現実から生まれた恐怖を消すために、アルバイトばかりしている。

4月から社会人になり、月給制、が取られるのだが、今は時給制。時間を切り売りして、お金を稼いでいる。

そうするとまあ、なかなか自分の時間を取ることが難しい。少ない休日を睡眠に充てたいという自分、本を読んだり映画を見たり文学的な活動に充てたいと言う自分、誰かと会って長話をしたいという自分のせめぎ合い。

社会人になり、仕事が人生の中心に来る予定の私は、残りの月にすることをリストアップして、平日の夜、アルバイトが終わってからの時間を文学的活動に、休日の片方を体を休める時間に、もう片方はその時の気分次第というようにした。

今日は、この取り決めをした初日なのだが、不本意なことに、明日のアルバイトがお休みになったため、こういう場合はどうするべきなのかと考えあぐねている。

 

 

実は、私は、一人暮らしをする準備こそすれど、家電が届かない(ということを言い訳にしつつ)ため、かつて同棲していた元恋人と、別れて2ヶ月経つ今まで、一緒に暮らしている。(別れて2ヶ月ずっとではなく、紆余曲折あり、何度かは実家に帰ったり、何度かは友人の家に泊まったり、など諸々あるが長くなるので割愛)

恥ずかしいことに、いままで真面目にアルバイトというものをしてこなかった。最低限生きていけるだけの金、それも都内に実家と学校があり、友達も片手で数えるほどな学生が生きていけるだけの金さえあればよかったので、月5〜7回働けば御の字であった。時間だけがあった。

やりたいことも見つからなかったし、なんだか、漫画ばかり読んでいた。元恋人は1つ上の学年で、漫画ばかり読んでいて、だらだらしているだけの生活は、1年前から私だけのものになった。

フルタイムでアルバイトすることによって得たことは、今まで自分がいかに怠惰で、自分が汗水垂らして働いている中ひたすら漫画を読むだけの人間が家にいることは中々のストレスだという発見だ。

 

 

そんな反省はさておき、なぜ元恋人の話をしたかと言うと、今日は久しぶりに元恋人の職場に顔を出しに行くことにしたからだ。

15〜28時という脅威の営業時間をする、水タバコ屋は、中々の人気店で、時間の融通が効く私は、いつも決まって、日曜日の深夜、繁忙店のそこが空いている時間に訪れた。

元恋人の元恋人や、同じく水タバコ屋で働くスタッフの恋人は、嫌だと言っていたけれど、誰に対しても変わらない優しさで接客する元恋人を見ることのできる、1月か2月に1度の日曜日は、私にとって特別なものだった。

スタッフの恋人ということで、随分親切にしてもらったこともあり、私たちが別れたことはその日にでも店の全員に広まってしまったので、それまではなかなかの高頻度で通っていたその店も、だいぶ敷居が高いものになってしまった。

私がいなくても今までどおり笑顔で働く彼を見て、複雑な気持ちにならないか、怖かった。

そんな店に今日は、次の日が休みだからという、大特権を使って、遊びに行った。

店の雰囲気も出てくる水タバコの質の良さも、彼の接客も、彼の周りのスタッフも、何もなかったかのようにいつも通りだった。

私は、なんだかそれがとても嬉しくて、関係者側じゃない視点から初めて見たその店は、今までよりもっと、印象の良いものだった。

だから私も、いつも通り、カウンター席に座って、いつも通りジンジャーエールグアバジュースを飲み、図々しくも一番奥のソファ席で横になって寝るなどした。

 

元恋人はバイク通勤なのでおそらく先に家に着くと思うといい、スタッフの1人と一緒に駅まで歩いた。

こんなことはよくあった。少し懐かしかった。

スタッフの1人と言っても、私たちの雲行きが怪しくなった去年の冬ごろ入ったスタッフなので、まだ会うのは4,5回目だったが、よく気を遣ってくれる方で、当たり障りのない話をした。

当たり障りのない話が苦手で、私たちと同じ時期に別れたらしい恋人の話を聞いた。

今は店が居心地良くて、そこでやりたいこともできたし、仲良い人もできたし、満足できちゃったんだよね。と。

そんな彼がいることや、そんな関係性を作ることのできるその店が、元恋人をこれからも笑顔で居させてくれるのだろうと、人の別れ話にもかかわらず、嬉しくなった。

 

今年も忘年会が楽しみだなあ、俺忘年会早く来て欲しいもん!と笑いながら彼は言っていたし、私も、いや、先過ぎ、まだ3月!と笑いながら答えたけれど、今年の忘年会に私はきっといない、と思った。f:id:uninosushi:20210301060936j:image